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小川弘幸の編集中記
【2009年7月18日(土)】
「水と土の芸術祭」が開幕。新潟市美術館ではオープニングセレモニーに続いて「のぞきからくり」が披露された。口上師の名調子に大人も子供ものぞき穴に顔を寄せたまま微動だにしない。「のぞきからくり」は明治から昭和初期にかけて大衆に親しまれた絵芝居で、全国にわずか3台が残るばかり。うちまともに動くのはこの一点。巻の資料館に保存されていたもの。芸術祭にあわせて修理に出され、ほぼ完璧に近い形で復元された。新潟市の有形民俗文化財。新潟市美術館のエントランス付近で来場者を迎えてくれる。展示期間中の日祝日に実演あり。さぁさぁ始まり始まり〜。

【2009年7月11日(土)】
新潟市西大畑町にある旧市長公舎が「安吾 風の館」としてオープン。ここは坂口安吾が生まれ育った生家にもほど近い趣きのある住宅街の一角。大正11年に竣工された建物は和風を主体にしながらも脇に洋間を設けたユニークな構成。その洋間が安吾の常設展示室となっている。現在「安吾の娯しみ」と題し、野球、ゴルフ、釣りなど趣味人安吾の一面が窺える遺愛品の数々が展示されている。月曜休館。入場無料。ちょっと空いた時間にふらりと、何度でも訪れたくなるような空間。

【2009年7月5日(日)】
開幕まで2週間をきった「水と土の芸術祭」。作品の制作現場ではあちらこちらで制作が急ピッチで進められているが、この土日、プレイベントが二つ開催された。一つは新潟市美術館前の西大畑公園で行われた「七夕まつり」。歌と踊りに覚えのある実力派パフォーマーが数多く出演。連日熱いステージを繰り広げた。陽射しが強く、来場者はもれなく日焼けのプレゼントも。5日は鯛車のパレードが行われた。巻に伝わる民具鯛車を復活させ、芸術祭の会期中さまざまに出現する予定。この日は古町6番町から下り、西大畑公演までの練り歩き。老若男女100名を優に越える参加者で賑わった。打上げは駅前の「ソクラテス」で。二日間で出会えた魅力的な人々に感謝。

2009年6月14日(日)
来月26日から開催される「第4回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」。同実行委員会と共催するNPO法人越後妻有里山協働機構の総会に参加。会場は窓から棚田も覗く農舞台まつだい食堂。事業および収支等々の議事の後、大地の芸術祭2009の概要報告が行われた。空家・廃校作品、アーティストグッズ、イベントなど今年も見ものが盛りだくさん。新たな事務局スタッフの紹介も行われ、若い顔ぶれが並んだ。この日の夜は新潟市美術館で「水と土の芸術祭」市民サポーターズ会議。作家の作品制作サポートについてなど。詳しくはHPで。

【2009年6月12日(金)
新潟水俣病の公式発表から44年目となるその日、新潟水俣病第4次訴訟の原告の皆さんらは、新潟地裁への提訴を前に集結した。訴訟名は「ノーモア・ミナマタ新潟全被害者救済訴訟」。被害者や弁護団、それに熊本から駆けつけた患者団体による連帯や激励のあいさつが続いた後、締めは「全被害者が救済されるまで、団結して、ガンバロー!」。映画「阿賀に生きる」でも印象的な「団結ガンバロー!」は今日なお健在なり。梅雨間の晴れ日。一日も早い解決を同時代に生きる者として願い祈る。

【2009年5月22日(金)
新潟市新津美術館主催による「シーズン&アート」第17章は「水と土の闘い」と題して行われた。同企画のプロデューサーである若月忠信さんと北川フラムさんとの対談。若月先生の駄洒落を交えたトークは絶好調で、それにつられるかのようにフラムさんのトークも縦横に展開。秋には良寛をテーマにまたやりましょうと互いに約束された。これもまた楽しみ。BSNの元アナウンサー池葉宏さんの朗読で聞いた司馬遼太郎の「街道をゆく」も至芸。その後の第2部では、ジャズ演奏(ギター/山崎英夫、ベース/横田康雄、キーボード/二野明)が組まれ、新津の夜は静かに熱く更けていった。ドリンクがあったらなぁ…。

【2O09年5月16日(土)
新潟市民プラザで開かれた水と土の芸術祭市民サポーターズ会議「スタンバイみずつち」。拡大会議の位置づけで講演も行われた。講師は磯辺行久さんで「新潟の水と土」と題するお話し。磯辺さんは「大地の芸術祭」に3回連続で参加されているアーティストで、今回「水と土の芸術祭」にもさまざまなプロジェクトでの参加が決まっている。私は第1回大地の芸術祭の時の「川はどこへ行った」が最も印象に残る作品の一つだったので、磯辺さんのプランには毎回興味津々。地域資源の目録づくりから始める作業はプランナーとしての横顔が伺えた。なお磯辺さんのレクチャーは、6月28日にも新潟市美術館で予定されている。

【2O09年5月9日(土)
十日町市松之山で開催された「坂口安吾まつり」。午後から夜間にかけて3部からなる多彩な構成。写真は第2部の千賀ゆう子さんによる安吾作品朗読の場面。舞台は大棟山美術博物館の庭園。かがり火の灯りと音、鳥の鳴き声と気配、木々の精の静寂とざわめきの中移り往く不思議な時間。リアルとも幻想ともつかないまま黄昏は深まる。その後は安吾ゆかりの植木屋旅館で懇親交流会。山菜尽くしのご馳走と越の白鳥、越の露といった当地ゆかりの銘酒をしこたま戴く。安吾をご縁に内外から参集されたさまざまな方々と楽しい語らいの時を過ごす。

【2O09年5月5日(火)
新潟県立「環境と人間のふれあい館」で開催された川本愛一郎さん講演会「父・川本輝夫のこと」。水俣病事件に真っ向勝負を挑み続けた心優しき闘士、川本輝夫さん。今年逝去10年となる。当日は妻の川本ミヤ子さんもご一緒され輝夫さんのこと、そしてご自身の心持ちのことなど話された。これに先立つ4日には阿賀野市の安田公民館で恒例の追悼集会「阿賀の岸辺にて」が賑々しく催され、お二人は連日に亘るご出演。愛一郎さんが酒絶ちをされていたことが残念でならない世話人の旗野秀人さん。その分酒量も増えたのかどうかは分からないが二日酔い調の秀人節が絶好調で可笑しかった。ふれあい館で同時開催中の宮本成美写真展「川本輝夫の仕事」は5月10日まで。

【2009年4月26日(日)
NPO法人五泉トゲソの会が主催する「第13回トゲソの観察会」。午前9時半、五泉市土堀地内にあるトゲソの保護池に集合。雄が子育てをすることで知られるユニークな魚トゲソは、イバラトミヨの地方名。脇に設置された解説看板には「学術上、氷河期の遺存種といわれ、世界的にも珍しく五泉市が日本の南限である貴重な魚です。生息するには、年間を通じてきれいな湧水と水草が第一条件です」とある。当日は地元集落の方々をはじめ新潟市から訪れた学生など老若男女多様な人たちで賑わう。トゲソと湧水の観察をした後、参加者は文化講演会と魚獲りのコースに分かれ、それぞれの時間を過ごす。お昼はとげそ米の釜炊きごはんをいただく。作り手と地域の魅力に溢れた学びと気づきの多いイベントだった。


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