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| 新潟しもまちの町屋活用 |
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(新潟大学工学部建設学科助教授) 岡崎篤行
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新潟市は人口約53万人を擁する本州日本海側最大の都市である。信濃川河口の湊町として成立し、近世には北前船の寄港地として繁栄した。幕末の修好通商条約では横浜、神戸などと共に開港5港に指定された歴史を持ち、その象徴が擬洋風建築として有名な旧税関(国重文)である。かつて町中に張り巡らされていた堀割は、高度成長期までにすべて埋められてしまったが、明暦の町建てそのままの道路網が残されている。また、空襲を逃れたこともあり、随所に歴史を色濃く残す界隈が現存する。特に柾谷小路から下流一帯の下町(しもまち)と呼ばれる地域には、町家や長屋を含む約1,200棟の歴史的建造物が残る。近年、地元住民の積年の願いが実現して、柳都大橋とみなとトンネルが開通し、対岸との交通利便性が向上した。しかし一方で、この橋を挟んで中心部と郊外のバイパスを結ぶ道路の拡幅整備により、多くの歴史的建造物が消失しているのも事実である。
その中に、昭和初期のRC造建築である第四銀行住吉町支店があった。法線にかかったこの建物は、当初取り壊される予定だったが、「新潟下町の歴史的景観を愛する会」が現地保存の運動を展開した。運動の中心人物である地元美術評論家は、同じ道路ルート上にある町家を活用して市民画廊を運営していたことから、この問題に関わるようになった。結局、銀行建築は旧税関の敷地に移築されることになった。彼は、このルート上にあった町家の移築保存も呼びかけた。 「新潟の町屋を生かす会」を設立し、市民からの寄付金200万円が集まった。残念ながら移築費用には足りなかったが、解体費用を捻出することができ、現在は将来の活用のために保管されている。その後、新潟の町屋を生かす会には、ほかの歴史的建造物に関する相談も舞い込むようになった。また新潟市が所有する廻船問屋小澤邸(明治期)、市長公舎(大正期)、旧日銀支店長宅(昭和期)の活用も決まり、幅広い保存・活用問題への対応が市民側にも必要となってきた。そこで、この夏には「新潟まち遺産の会」に組織を発展させ、新たな活動を展開する予定である。新潟市ほどの規模の都市で、全市の歴史的遺産を活動対象とする市民組織は、日本ではまだ珍しい。
(社)全国市街地再開発協会の機関誌「市街地再開発」に掲載より抜粋
新潟の市民による既存資源を活かしたまちづくり(2004/05/31)
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