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晴雨計・07
「医者のたまご」
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旗野秀人(新潟の水辺を考える会会員)
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同じたまごでも今、はやりの「たまごっち」の話ではない。近ごろ珍しいほどの超まじめな「医者のたまご」のみなさんの話である。毎年春になると新潟大学医学部学生会主催の新入生歓迎企画・水俣病実習というのがあって、最後に患者との交流会の場を地元で設けるのだが、先日その参加者の感想文集を読ませていただいた。
「水俣病については小学校のときに習った程度しか知らなかったし、それさえ忘れているくらいだった。だから今日のことは非常に勉強になった」「教科書で学んだだけだったので実感がなかった。正確には過去の事例とまで思っていたので『目から鱗』だった」「新潟に住んでいながら水俣病のことはそういうことがあったという過去のこととしてとらえていた」「水俣病という公害は新潟に来るまではテレビや教科書以外ではあまりなじみのあるものではなかった」
いずれも正直な感性であると思う。わき目もふらずに激しい受験戦争を勝ち抜いて医学生になったであろう彼らにとってはことさら、患者の方の話は新鮮で衝撃的であったに違いない。毎年のことではあるが、患者の方も子や孫に語って聞かせるかのように、みそ汁などを作って楽しみに待っているのである。
「今日の見学をいつまでも心に焼きつけ、これからの医学を学ぶ布石にしたい」「医師あるいは科学者としての心構えも学べたような気がした」「自分には何ができるのか、非協力的で他人事のように扱う医師にはなりたくない」「これから医師になる者として、最先端のことだけではなく、過去の出来事からもさまざまなことを学ぶことが必要だと思った」「患者の方々が今までの苦労を感じさせないくらい明るく、その姿勢には学ぶべきことが多かった」
これまで散々、ニセ患者などと呼ばれ、とくに大学での検診などではろくに話も聞いてもらえなかった患者の方にとってもうれしい仕事であり、近ごろよく耳にする「水俣病の教訓を生かす事業」を具体的に実践している例だと思う。
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