2000年 54号 (2000年10月30日)
連載新潟に住む心地・45
   「新潟」はどこにあったのか(4) 

大倉 宏
特集●「大地の芸術祭・越後妻有アート
    トリエンナーレ2000」に参加して
 
   「大地の芸術祭」開催県の作家に
            求められるもの

霜鳥健二
   「大地の芸術祭」に参加して
堀川紀夫
   壮大なる実験――アートの可能性
前山 忠
   松代に残す思いとアートの可能性
佐藤秀治
   「場の」選択とその変様
舟見倹二
   松代町商店街における土壁による
       修景プロジェクトについて

村木 薫
   大地の呼吸 in 妻有
松宮喜代勝
   くらかけつづきの山か
鈴木佳尚
   新しいミュージアムの誕生
家田順一郎
   祭りの後(アート)考
瀧澤直人
大倉 宏
連載●映画ノート・23
    「SELF AND OTHERS」

佐藤 真


特集 「大地の芸術祭
     越後妻有アートトリエンナーレ2000」 に参加して 

 
 今年の夏は暑かった。
たとえば越後妻有で行われた「大地の芸術祭」。炎天下の里山歩きはつらくともいい思い出として振り返ることができる。ではアートは、そして今回の事業は、私たちに何を残したのだろうか?
 多くの話題と期待とリスクを負いながら開催された大地の芸術祭は、おおむね好評のうちにその幕を閉じた。といっても肝心なことは未だ語られ尽くしてはいない。
 そこで小誌では、新潟・文化批評誌としての本領を発揮するかたちで、同イベントを異なる立場の方々からの寄稿を通じて、さまざまな視点および角度から存分に論証していきたいと思う。なぜならば、他のマスコミがやらないからということ。そして、いまやっておくべき必要があるということ。さらにはトリエンナーレ形式をとる大地の芸術祭は、初回が終わると同時に第二回目はもうすでに始まっているのだから、と考えるから。主体は常に市民である。発言し行動する市民が次回の「大地の芸術祭」をつくっていく。 
 

執筆者 : 霜鳥健二/堀川紀夫/前山 忠/佐藤秀治/舟見倹二/村木 薫/松宮喜代勝/
      鈴木佳尚/家田順一郎/瀧澤直人/大倉 宏

  

 

「大地の芸術祭」に参加して

    第二次 原稿募集のお知らせ 

 十日町広域圏六市町村を舞台とした美術の大祭「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000」が開催中だ。いわゆる“アートによる地域おこし”は、いまに始まったことではなく、県内でもいくつかの前例を振り返ることができる。新潟市の古町商店街を舞台に行われた杉材アーチのインスタレーション(89年10月/磯部聡)や「BOXアート展」(93年10月)など記憶に残るものも少なくない。しかし、それらがいずれも都市を舞台とした民間有志の主導による一過性の試みであったのに対し、今回の芸術祭は、多くの点において異なる。先ず新潟県の提唱を受けるかたちで中山間地の各自治体が連携、これの実行委員会を組織し、費用を分担しているという点。そしてトリエンナーレ、つまり三年に一度、継続的に開催されるという点。さらには、その規模。全域762km2、世界32カ国、142人の現代美術作家が参加し、会期は53日間におよぶ。総合ディレクターとして起用された北川フラム氏(高田市出身)は、「ファーレ立川」(94年、JR中央線立川駅北口五分にある五・九ヘクタールの米軍基地跡地に展開されたアートを介在した新しい街づくりのプロジェクト。36カ国92人の芸術家が参加した)などの実績を有するアートディレクター。また「アパルトヘイト否!国際美術展」(88〜89年、南アフリカ共和国のアパルトヘイトに反対する芸術展。34四カ国81人の芸術家が参加。真っ赤な風船を脹らませた移動美術館倉庫トレーラー「ゆりあ・ぺむぺる号」も印象に残る)では、日本の事務局長として全国津々浦々に展観の場を仕掛けてきたことでも知られる。
 開催地域の各自治体および住民、参加アーティストとの交渉と、まぁ、開幕に漕ぎつけるまでの氏の苦労といったら想像にあまりあるが、とまれ“世界最大級”の美術の大祭はスタートした。世界中が注目している芸術祭ともいえるが、果たして私たち県民の目にはどう映ったのか? また今後どのように息づいていくのか? そして次回以降に何をのぞむのか、などなど、様々な立場の皆さんから忌憚のないご意見ご感想を寄せていただきたいと思います。

■「大地の芸術祭
     越後妻有アートトリエンナーレ2000」
〈会期〉2000年7月20日〜9月10日
〈会場〉越後妻有6市町村(新潟県十日町市、川西町、津南町、中里村、松代町、松之山町)
〈主催〉越後妻有大地の芸術祭実行委員会


●原稿を募集しています!

「大地の芸術祭」をご覧(参加しての)になっての感想をお寄せください。次号「風だるま」にて特集を組んで掲載いたします

・文字数=800字前後(ワープロ原稿の際はフロッピイディスクごとお送りいただけますと助かります)
・締切=12月5日(火)
  ※早めのご入稿ほど歓迎いたします
・原稿の末尾に、生年と肩書きもお書き添えください
・送付先=〒950ー0021 
   新潟市物見山2の30の16の201 文化現場まで