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にいがた水紀行・18
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津南雪中日記
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小船井秀一
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○月○日 ひどい風邪をひいた。熱が全然下がらない。えらくせきが出て止まらない。体中の節々も痛む。今日は始業式だってのに、どうしよう。休むしかないか。三学期のしょっぱなから休んじゃうってのもなあ。しかしこれじゃ使いものになんないしなあ。しょうがない、休も休も。 ○月○日 なんだかすごい雪になってきた。前の晩からずっとだもんな。しかし今日は新潟まで出なけりゃならん。月一ぺんの病院の日だからね。しかしひどい降りだね。相当積もるのかな。これで車運転するのもいやだな。ともかく出発だ。……なんだ、消雪パイプのおかげでけっこう路面の雪、溶けてんじゃん。これなら大丈夫かな。いけるいける。……お、なんだなんだ、ハンドルとられてるよ、滑ってるよ、しまった、四駆にすんの忘れてた。あっちゃー、完全にスピンしてるよ、やっべー、新大病院行く前にこの辺の病院に行く羽目になんのかな、けがすんのはしょうがないけど、車壊すのはやだな、あらら、雪壁が目の前まで来てるよ、がつんといくんだろうな、フロントガラス割れたらどうしよう、……あれ、なんかふわっと突っ込んだな。斜めから突っ込んだのがよかったのかな。ともかく、バックにギヤ入れてと、……動かないよ、しょうがねえな……。(結局この後、近所の家で電話を借りて、自動車修理工場から人に来てもらって引っ張り出しました。ほんと大変だったんだから)。 ○月○日 編集長の小川さんと飲む。さっき新潟駅南口の歩道橋の階段でこけて打った背中が痛いが、酒で消毒することにする。小川さんを取材に来てた東京のプロダクションの人も一緒だった。初対面だったがおお盛り上がりで楽しかった。しかし、後半の記憶が全くない。気がついたら実家の自分の部屋で寝ていた。最近こういうことがやたら多い。年のせいだろうか……。 ○月○日 三日ぶりに津南に戻ってさあびっくり。なんだこの雪の壁は。こっちを出たときにゃせいぜい1メートルくらいだったのが、2メートルを軽く超えてるじゃありませんか。新潟でこんなに降ったらもうパニック。後で地元の人に聞いてみたら、ここ数年は少なかったけど、本来これくらい降るのが当たり前で、もっと降ってもおかしくないんだそうだ。さすが、「全国有数の豪雪地」(朝日新聞にそう出てた)だけある。でも、道路の除雪や融雪はほんと見事なもんで、新潟の道よりよっぽど走りやすいのはありがたい。もうスピンはしないぞ、とゆっくり走っている僕なのでした。 ○月○日 仕事が終わるといつものごとく、近くの温泉に浸かりに行くことにする。このあたりはほんといい温泉が多い。「水紀行」筆者としては、そのうち温泉紀行でも書いてやろうかと思っているくらいで。ここではとりあえずその「ダイジェスト版」というわけで。今日は、栄村(もちろん長野県の)の「トマトの国温泉」にしよう。ここは津南の町なかから車で15分くらい。料金300円で利用できるうえ、回数券が13枚綴り3000円と割安なのがまたうれしい。お湯は褐色がかっていて、比較的ぬるめなんだけど、じっくり入っているとよくあったまる、いい温泉なのですよ。浴槽も広くて、ゆったり楽しめる温泉なのです。 ○月○日 今日も仕事帰りに温泉だ。ちょっと遠出して、松之山温泉の「鷹の湯温泉センター」にしよう。ここは津南から車で30分くらい。料金は300円。回数券だと12枚綴り3000円。ここはもうすごい温泉。お湯を飲めばしょっぱいし、白っぽく濁ってる。しかしなんといっても、ここの特徴は、熱いこと。もう皮膚がびりびりするくらいあちいのよ。またそれをみんな、平気な顔して入ってるんだ、これが。初めのうちはつらかったね、正直言って。ところが、人間てのは不思議なもんで、慣れてくるのね。なんとかは入れるようになってくると、今度は少しでもぬるくうめてあったりすると、物足りない気持ちになってしまうというのも、不思議なもんで。ちなみに、ここは露天風呂もあります。こっちは内風呂よりややぬるいかな。松之山温泉には、最近新しい公衆浴場もできていて、こっちのほうは700円と少し高いんだけど、設備も整っているので、結構楽しめますよ。 ○月○日 温泉行ってる暇があれば取材に行きたいんだけど、雪に埋もれ状態でなかなか思うように行かないのよ。おまけに今日は日曜出勤でプリントづくり。仕事にまで追われてる始末。我ながら情けない。てなこと言いつつ、その仕事が終わったとたんに今度はクアハウス津南の温泉に浸かってしまうわけで。ここの温泉もいいのよ、そこそこ熱くて、ぬめりがあってあったまって。ちなみにここも300円。だいたい、こっちに転勤してから、自分とこの風呂沸かしたことないもんね。あんな棺桶みたいにせせこましい風呂になんか、もう入れませんよ、実際。 ……というわけで、今回は取材に行けなかったので、こんなくだらないことを書いてしまいました。次回からは、きちんといつもの水紀行にしますので、どうかお許しを。
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