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新・にいがた水紀行・9
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白鳥のいる湖・いない湖
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小船井秀一
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「白鳥の湖」といえば、県内では水原町の瓢湖、新潟市の佐潟、鳥屋野潟豊栄市の福島潟なんかが以前から有名だが、最近は、そのほかのいろんな湖にも、多くの白鳥が集まっているらしい。それをいいことにというか何というか、ちゃっかり「水辺公園」にしちゃったりしている所も多いようだ。 神林村にある「お幕場大池公園」も、そんな公園の一つだ。こないだまで村上市の瀬波病院にお世話になっていた関係で、そちら方面に足を延ばすことがよくあって、その道すがら、窓の外を見ると、その公園があって、何しろ人一倍の「湖・渓流好き」なもんだから、何となく気になっていたのだった。 で、ここが気になっていた理由は、実はもう一つあって、白鳥たちがいっぱい集まってくる大池の西隣に、もう一つ池が見えて、そこは大池に比べて、すごくひっそりした感じに見えたからだ。隣り合わせの湖(といってもどっちもそんなに大きくはないが)の、雰囲気の違いが面白そうだと思って、今回、見に行ってきた。 メインの湖、大池の入り口には、「お幕場大池公園」のでかい看板がでーんとあって、そこを目印に入っていくと、湖のほとりにはちょっとした駐車スペースが広がっている。特に売店などの施設が整備されているわけではないが、公衆トイレや展望台なんかは用意されている。湖の真ん中あたりには、いかにもありがちなあずま屋風の建物なんかも建っている。木を擬したコンクリート製のベンチがあちこちにあったりするのもお約束だ。
池を一周してみる。が、池の北東部は道がないので、その反対側半分を歩くことにする。 水面を眺めると、白鳥をはじめとする鳥の羽根が、少なからぬ量ぷかぷか浮いている。水も、特に流れ出るところもないらしいためか、結構濁っている。いわゆる野生動物の体臭というのか、糞尿のにおいというのか、そんなにおいがあたりに漂う。ま、こんなのは、瓢湖だって似たようなもんで、いっぱい水鳥が集まる湖というのは、だいたいこんな感じになる。餌付けでもって鳥を集め、観光地化するのはいいが、その結果は、鳥たちの「半家畜化」と、水質の汚染だ、というのは、以前の「水紀行」でも書いた通りだ。 さらに進み、奥の方まで行く。奥の方の水面には、今度は一羽の白鳥もおらず、カモの姿ばかりが目立つようになる。白鳥は、えさをくれる人間がいる方にしか集まってこないわけだ。その分、その風景は、心なしか「自然」に近づいたような感じがする。
大池と、この湖と、どちらの方が「いい」湖なのだろう。生きものの(この場合は白鳥やカモ)姿が豊富だから自然豊かな場所だ、とは、とても言えないことは確かだ。いわゆる公園整備や護岸工事をきっちりとやっている大池よりも、それなりに自然のままの風情を残している「もう一つの湖」の方が、僕には魅力的に映った。単に白鳥が来ればいいってもんじゃないのだ。
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